戦略の現場から。私が“飛ばす支援”を始めた理由
「現場が回る仕組み」を志した原点
「現場を回す」のではなく、
「現場が回る仕組みをつくる」――
それが、わたしの社会人としての原点でした。
新卒で入社したのは、航空エンジンを製造する重工メーカー。
大学院では金属材料と溶接接合を研究していた自分が、配属を志願したのは、生産管理という“計画”の現場でした。
知識も経験もゼロの状態で、配属実績のない部署に頭を下げて飛び込みました。
なぜなら、研修中に見た“生産計画という仕事”に、強く惹かれたからです。
「工程が乱れて現場が止まる」
「人が足りない、材料が届かない」
「でも納期は変えられない」――
そんなギリギリの現場で、何をどう整えるか。
納期・原価・品質・人――多くの制約条件の中で、最適な打ち手を考える。
正解がないパズルのようなその仕事は、まさに“戦略と現場の接点”でした。
以来、わたしは航空エンジン部品のサプライチェーン全体に関わるようになり、
ロールス・ロイス、GE、プラット&ホイットニー、防衛関連など、国内外の数多くのプロジェクトに携わってきました。
複雑なものづくりの中で学んだのは、
「現場は、気合では動かない」ということ。
数字を読む力と、現場の肌感覚。
それをつなげる仕組みと戦略がなければ、計画は絵に描いた餅でしかない。
だからわたしは、属人的な管理をやめ、工場のデータをもとに、計画・工程・発注の仕組みそのものを見直していきました。
わたしの担当は現場そのものではなく、生産の全体像を見渡し、工場の動きを組み立て、課題を特定し、時には会社を代表して顧客対応にあたる。そんな立場で、工場全体を背負うような仕事をしていました。
その中で、尊敬する先輩に言われた言葉があります。
「この工場にはたくさん問題がある。でもな、“批評家”になるなよ。どうすればうまく回るかを考え続けろ。」
この言葉は、いまも私の中に強く残っています。
批評家とは、できない理由を語る人。
私は、どうすれば動くか、どうすれば進めるかを考える人でありたい。
理想論ではなく、制約を抱えた現実の中で考え抜く。
その姿勢こそが、私のコンサルティングの根っこにあります。
現場を“実行可能な形”で動かすこと。
それこそが、戦略の本質だと思うようになりました。
現場から、経営へ。コンサルへの転身
転機はコロナ禍でした。
飛行機が飛ばない日々が続き、航空需要は長く低迷。
それに伴ってエンジンの生産量もなかなか戻らず、
厳しい環境の中で、長年信頼していた協力工場のひとつが倒産してしまいました。
現場を守るために奔走しながら、
わたしの中に「これは現場だけの問題じゃない」という想いが芽生えました。
「この事業の意思決定そのものに関わりたい」
「動かすだけでなく、“飛ばす”側に立ちたい」――
その想いが、わたしを経営の世界へ向かわせました。
2024年にコンサルティング会社へ転職し、
経営戦略・補助金活用・GX・業務改革など、幅広いテーマで中小企業の支援に携わるようになります。
そして2025年、中小企業診断士を取得。
ハイパージェットコンサルティングを立ち上げました。
いま、わたしがやっているのは「戦略を描いて終わり」ではありません。
経営者の中にある言葉にならない想いに火をつけ、
言葉という燃料を注ぎ、戦略という発射台を描く。
そして、動かせる形に変え、
仕組みと行動につなげていく――
“動かせる戦略”をつくる。
“飛ばせる仕組み”を一緒に設計する。
それが、わたしのコンサルティングです。
経歴
- 1995年(平成7年)3月12日生まれ
- 私立広島学院中学校・高等学校卒業
- 大阪大学 工学部 応用理工学科 卒業
- 大阪大学大学院 工学研究科 修了(修士号取得)
資格など
- 中小企業診断士(2025年)
- 基本情報技術者(2020年)
- 工学修士(2019年 “高周波線形摩擦接合法によるステンレス鋼/アルミニウム合金の異材接合”)
- MENSA(2018年)