絶対やめろ!起業仲間を“ノリ”で選ぶと99%後悔する理由

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「誰かと組まなきゃ」が焦りを生む一番の原因かもしれない

起業を考え始めたとき、多くの人が「一人じゃ不安だ」と感じます。それは当然の感情で、未知の世界に飛び込もうとするなら、誰かと一緒のほうが安心できるからです。特に起業イベントや起業家コミュニティに参加していると、まわりはどんどん人脈を広げていて、自分も早く誰かと組まなければと焦ってしまう。でも、この「誰かと一緒にやらなきゃ」という気持ちが強すぎると、相性や方向性を深く考える前に「とりあえずこの人でいいか」と判断してしまうことがあります。

焦りの背景には、「一人では進めない」「仲間がいないとスタートできない」という思い込みがあるかもしれません。でも実際は、一人でできる準備もたくさんありますし、自分の軸が明確になっていない状態でパートナーを探すのは、家の設計図がないまま大工を雇うようなもの。だからこそ、焦りは一度立ち止まるサイン。むしろ、「本当に必要な相手ってどんな人なんだろう?」と自分に問いかけるタイミングなのかもしれません。

スキルより信頼と補完性、起業初期に本当に必要なもの

多くの人は「優秀な人と組めばうまくいく」と思いがちです。もちろんスキルは大切ですが、それ以上に重要なのが“信頼できるかどうか”と“自分と違う視点を持っているか”という点です。なぜなら、起業初期には決まっていないことだらけで、決断や軌道修正の連続。そんなとき、相手と率直に話し合えなければ、すぐに行き詰まってしまいます。

さらに、自分と同じタイプの人と組むと、見える景色が偏りやすくなります。たとえば、自分も相手も営業タイプだと、商品開発が疎かになったり、逆に両方が職人気質だと売る力が足りなかったり。補完関係にあるかどうかが、起業チームの強さを左右します。

信頼と補完性。この2つが揃っている関係こそが、起業初期の困難を乗り越えるうえで、いちばん心強い“武器”になるのです。

魅力的に見えても合わない人を選びがちな落とし穴

「この人、話もうまいし、実績もあるし、頼れそうだな」――そう感じた相手とすぐに組んでしまうケース、意外と多いです。最初のうちはお互いのテンションも高く、話も弾むし、「このまま一緒にやれば成功できそう!」と感じるのですが、数ヶ月たつと、少しずつズレが見え始めてきます。

これは、相手の“肩書き”や“雰囲気”に惹かれてしまい、中身まで見ようとしなかったことが原因のひとつかもしれません。たとえば、表面的には「社会課題を解決したい」と同じことを言っていても、実は片方は収益性重視、もう一方は社会貢献重視だったということも。小さな違いに見えて、これは日々の意思決定に大きなズレを生みます。

本当に一緒にやるべき相手かどうかは、テンションや見た目では判断できません。重要なのは「この人とぶつかったときに、ちゃんと向き合えるか」「話し合いができる関係か」という視点。惹かれるままに組むと、のちのち痛い目を見る可能性があるんです。

ちょっとした価値観のズレが、取り返しのつかない崩壊を招く

起業において、価値観のズレは徐々に大きなひび割れとなって現れます。たとえば、「この案件は受けるべきかどうか」「資金調達するべきかどうか」「どこまでリスクをとるか」――こういった判断をするたびに、意見がぶつかり、納得いかないまま話が進んでいく。最初は我慢できても、それが積み重なると、信頼が削られ、やがて爆発します。

怖いのは、このズレに最初は気づきにくいということです。小さな不満や違和感を「まあいいか」で流してしまうと、後になって大きな決裂を生む原因になります。そして決裂したときには、既にサービスをリリースしていたり、出資を受けていたりして、簡単には引き返せない状況になっていることも少なくありません。

だからこそ、初期段階での「価値観の確認」がとても重要です。一緒にやっていくうえで、何を大事にしているのか、どういう未来を描いているのか、しっかり話し合えているか。これは、起業のスピードよりも、事業の持続性を左右する大きなポイントです。

探すより先に、自分が欲しい“チーム像”を描こう

「いい人がいれば組みたい」と思っているうちは、本当に必要なパートナーに出会える確率は低いかもしれません。なぜなら、その視点では“相手に自分を合わせる”ことが前提になってしまうからです。でも本当は、その逆が大事なんです。つまり、自分がどんな事業をやりたいか、どんなチームで進めたいかを先に描くこと。

たとえば、「自分は感覚で動くタイプだから、論理的に整理できる人が必要だ」とか、「自分は長期視点でじっくり育てたいけど、短期成果を追うタイプとは合わないかもしれない」など、自分の傾向を知るだけで、どんな人と補完し合えるかが見えてきます。

さらに、「チーム像を描く」というのは、ただ人のタイプを決めるだけではありません。「どんな意思決定の仕組みにするか」「どうやって意見の違いをすり合わせるか」など、組織としての在り方をイメージすることでもあります。これがあると、出会った相手と話すときも、「この人はその枠にフィットしそうか?」という視点が自然と持てるようになります。

まずは紙に書くだけでOK、自分の本音を見える化する習慣

「組織像を描け」と言われても、何から始めていいか分からない。そんなときは、まず紙に向かって、自分がなぜ起業したいのか、何を大事にしたいのか、どんなふうに働いていたいのかを書き出してみるのがおすすめです。スマホのメモでも構いません。大切なのは、頭の中でぐるぐるしている曖昧な考えを、ちゃんと言葉にして外に出すことです。

たとえば、「自由に働きたい」「誰かの役に立ちたい」「昔の自分のような人を助けたい」など、最初はふわっとした言葉でも大丈夫です。でも、それを書き出していくと、少しずつ「だからこういう価値観を持つ人と組みたい」「こういう状況は避けたい」といった本音が見えてきます。

この“見える化”の作業をしておくと、人に流されにくくなります。そして、パートナー候補と話すときにも、自分の軸がはっきりしている分、対等に話ができるようになります。たった10分でもいい。今日から、少しずつ自分と対話する時間を持ってみてください。それが、後悔しないパートナー選びの土台になります。

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