「社長になったら失敗しそう…」そんな不安はみんな抱えてる
「社長を任されるかもしれないけど、自分に本当に務まるのだろうか?」
そんな不安がふと頭をよぎった瞬間、どこかで自信が揺らぎ、迷いが生じることってありますよね。きっと、誰にも打ち明けられない悩みを抱えてしまっている人もいるのではないでしょうか。
でも安心してください。実はその不安、あなただけではありません。むしろ、真剣に経営者の責任を考えている人ほど、そういう気持ちを抱くものです。
実際、多くの成功した経営者も、自分が社長になったときには同じように悩み、不安を抱えていました。
その不安があるからこそ、人は慎重になり、準備を重ね、自分を成長させることができます。「自分には向いてないかも」と思う気持ちは、決して弱さではなく、むしろ経営者としての強みになり得るのです。
社長に求められるのは“何でもできること”ではない
社長になると、何でも完璧にできないといけない、というイメージを抱いていませんか?
経営の数字も、人のマネジメントも、営業もすべて把握し、どの分野でも一流である必要があるように感じてしまう。でも実際には、社長だからといって、すべてに精通している人はほぼいません。
多くの経営者は、むしろ「何ができないのか」をしっかり認識しています。自分の不得意な分野を明確にして、そこは信頼できる社員や専門家に任せる。そうして、自分が本当に価値を生むべき領域に集中するのが、本来の社長の仕事です。
社長に求められるのは、「全部を一人で抱える能力」ではなく、「何を誰に任せ、どんな方向を目指すかを決断できる力」なのです。
できないことがあるのは当然。その上で、決めるべきことを決められるかどうか。それが経営者としての本質的な役割になります。
“リーダーシップ=カリスマ”という誤解が足かせになる
社長や経営者と聞くと、どうしてもカリスマ性がある人をイメージしてしまいませんか?
確かにカリスマ的なリーダーは魅力的に映りますが、「あんなふうにならなきゃいけない」と思うことが、逆にあなたの可能性を狭めているかもしれません。
実際には、リーダーシップにはいろいろなタイプがあります。たとえば、静かに話を聞き、社員が安心して意見を言える環境をつくれるリーダーもいますし、現場の社員に任せながら背中を押してあげられるタイプのリーダーもいます。必ずしも自分が最前線に立って人を引っ張る必要はないんですね。
大事なのは、自分が無理せず自然に発揮できるリーダーシップスタイルを見つけること。
カリスマになろうと無理をするより、自分らしいスタイルで人を支えるほうが、結果として組織全体を前進させられることが多いんです。
社長に向いていないままだと、ただの孤独な責任が残る
「本当に自分がやるべき仕事だろうか?」という疑問を持ったまま社長を続けてしまうと、何が起こるでしょうか?
やがてそこには、「孤独」と「重すぎる責任」だけが残ってしまいます。
経営者の仕事には孤独がつきものですが、向いているかどうかの迷いを抱えたまま無理に社長になれば、その孤独はさらに深まります。自分が本当に納得している決断ではないので、困難に直面するたびに、強いストレスやプレッシャーに耐えられなくなるかもしれません。
逆に、自分が納得し、覚悟をもって決めた道であれば、どんな困難があっても前向きに受け止められます。社員や周囲にも迷いが伝わらず、自然と信頼関係が築けるのです。
だからこそ、社長の道を選ぶなら、自分自身が本当に納得できるかどうか、しっかりと心に問いかける必要があります。
本当の社長の仕事は、迷わず決断すること
結局のところ、社長という仕事の本質は「決断」です。
会社の将来を左右する判断、人を採用するかどうかの判断、新しい事業に進むか引くかの判断──どれも簡単ではありません。ですが、社長以外にそれらを決められる人はいません。
迷ったときや情報が不足しているときでも、責任をもって「決める」。
間違える可能性があっても、そこに覚悟を持つこと。それが経営者の役割です。
ここで大切なのは、「絶対に正しい答え」を探すのではなく、「自分が納得できる判断基準」を持つことです。迷い続けるよりも、まず決める。そして、その決断に対して責任を取る覚悟を持つ。それこそが、本当の社長に求められる仕事なんですね。
まずは自分の「決断の癖」を振り返ってみよう
それでは、あなた自身が本当に社長という役割に向いているかを知るために、今日からできる具体的なアクションを紹介します。それは、「自分の決断の癖」を振り返ること。
たとえば過去に大きな決断をしたとき、あなたはどのように判断しましたか?
感情や直感に頼りがちなのか、それとも徹底的にデータや周囲の意見を集めるタイプなのか。一人で抱え込む傾向があるのか、誰かに必ず相談するタイプなのか。
そうした自分の「決断パターン」を整理してみると、自分がどのようなリーダーになれるか、どんな社長になれば力を発揮できるかが見えてきます。
まずは紙に書き出してみてください。「こういう状況ではこう判断した」「その結果はこうだった」。
そこからあなたにとって最適な社長像がきっと見えてくるはずです。